yukiの日記

^05/21 22:39

『短編小説「じゃむ・2」』

彼女の舌先が小刻みに震えているのがわかる。
快哉を叫びながら僕は泣いていたかもしれない。
少なくとも勃起はしていた。
端から見れば高校生くらいのカップルが
コソコソバナシをしているようにしか見えないだろう。
しかし僕はえもいわれぬ快感の中にいた。
絶頂の頂を一息にかけあがり、
いつまでもそこで水平にたゆたっていた。

ふるえていた。
そう、あふれていたんだ。

からだの震えと快楽に対する耐性の限界ぎりぎりで、
彼女はその舌腹を粘膜から放した。
どれだけの時間が経過しただろう。
町田は過ぎただろうか。

ようやく僕は彼女が何をささやいていたか知ったのだった。
舌を僕に入れたまま、不自由な舌の根の方から
「かゆいところ、ほかにないですか?」
と、彼女はささやいたのだ。



そうして僕と彼女は付き合いはじめた。
彼女はいわゆるところの蛇女で、
しかしまぁ、そんなことは僕にはどうでもいいのだった。
とりあえず傍目にはかわいい、いかにも清純そうな女子高生だし、
僕もキスまでしかまだしてないから、
清純なコウコウセイなのであろう。
時々彼女の舌は、僕に非人間的な快楽をもたらしてくれるが、
それは最終的には行き着くにしても、直接的に性的な行動ではない。
しかしやはりこうした出会いと彼女の特殊性から、
お互い自分のことはあまり話さないでいた。
その分その気持ちにだけ純粋にしがみついていられる。
そう思ったのだ。

じゃむは(さすがに名前は名乗りあった。彼女は「じゃみら子」という名前で、
呼びづらいし、ずいぶん水気のない名前なので、
「じゃむ」と略した。
彼女はそんなかわいい呼ばれ方されるの初めて、
と喜んでその時いつもより少し長いキスをした。
甘いものが好きで、特にソフトクリームが好きだった。
デートをしてソフトクリームを見るといつもねだった。
僕は慢性的な腹痛男なので
2つ買うと少しもてあましてしまう。
ベンチで並んで食べていると
少しずつ僕のソフトクリームが減っている。
おや?と思うとそれは隣から彼女が舌を伸ばしてすばやく食べているのだった。
「これこれ」と言うと
「てへ」と笑った。



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