ほとけの日記

^05/09 22:10

『妙な来訪者の話。』

先に言っておきますが、この話にはオチもなにもありません。


私は、とある郊外の賃貸マンションに住んでおります。


周りの環境は、閑静とまではいかないのですが、学校や公園が近くにある落ち着いた住宅街といった感じです。
マンションの前の道は車同士がすれ違うのがやっとの幅で、決して広くはないのですが、駅から近く、夜になっても少なからず人通りがあり、昼間は近所の子どもたちの通学路にもなっている、そんな場所にあります。


今日は仕事を早く終え、部屋でだらだら過ごしておりました。


ピンポーン


部屋のインターホンが鳴りました。

私の住むマンションはエントランスがオートロック式となっており、インターホンはそのオートロックのあるエントランスと、私の部屋の玄関の2ヶ所に設置されています。


インターホンのモニタを見ると、私の部屋の玄関の前が映し出されており、そこにボサボサの長い黒髪を垂らし、顔に大きな白いマスクをつけた初老の女性と思われる人が立っていました。


見覚えの無い人だったので居留守を使おうとしたのですが、オートロックを突破して直接玄関のインターホンを鳴らしたと言う事は、もしかしたら同じマンションの人で、何か困ってるのかもしれない。


そう思い、私はパンツ1丁のまま玄関を少し開きました。


仏:わし
ば:ばばあ


仏「どうされましたか」


ば「友達はどこかしら」


仏「友達?私は1人ですが」


ば「いつも一緒にいる友達はどこかしら」


仏「え、どういう事ですか」


ば「ほらいつもここにいるでしょう」
(私の部屋の中を指差して)


私には、なんの事だかわかりませんでした。
私は一人暮らしをしていて、たまに友人が遊びに来る事はあっても定期的に来るような友人はいません。


仏「誰のことを仰っているんですか」


ば「留守番しているの?」


仏「え、留守番?」


ば「もう1人いるでしょう」
(そう言って部屋の中を覗き込む)


仏「部屋には誰もいませんよ。この部屋の世帯主は私ですし、一人暮らしをしています」


ば「そんな事はないわ、いつもいるじゃない」


仏「他の部屋と間違えてるんじゃないですか?この部屋には私だけですよ」


ば「そう、引っ越したのかしら」


仏「この建物ができたのは2年ほど前ですよね」


ば「そうそう」


仏「新築当時からこの部屋には私しか住んでいませんよ」


ば「そんな事はない、この前話したでしょう」


仏「???」


私は普段、宅配でもない限り、アポ無しで訪問して来る人には基本的には居留守を使います。


仏「失礼ですが、私はあなたの事を存じ上げませんし初対面だと思います」


ば「いいえ、この前来たときに話したでしょう」


仏「そんな記憶はありません。階が違うとか、どこか別の部屋ではないですか?」


ば「いないのなら、また今度来ます」


そう言って女性は立ち去ろうとしました。


仏「待ってください。いつ来られても、この部屋には私しかいませんよ」


ば「そんな事はないわ、いつもいるでしょうここに」
(そう言ってまた私の部屋の方を指差す)


仏「いませんよ誰も」


ば「私の友達」


仏「あなたのお友達ですか?」


ば「そうよ」


仏「あなたのお友達が住んでおられるのですか?」


ば「ここにいるのよ」


仏「あなたのお友達に会われに来たのですか?」


ば「そう」


仏「そのお友達は男性ですか?女性ですか?」


ば「男性よ」


仏「そうですか、重ねて申し上げますが、この部屋にはいつ来られても私しかおりませんよ。貴女は部屋を間違えているのだと思いますよ」


ば「また今度来ます」


そう言って女性はエレベーターの方に歩いて行きました。


私は玄関の扉を閉め、鍵を閉じ、今話した内容を反復しました。


女性が会いたがっていたのは
私の友達なのか彼女の友達なのか共通の友達なのか。
なぜオートロックを突破できたのか。
なぜ私しかいない事を伝えてもまた来るのいってんばりなのか。
前に私と話したとはなんの事なのか。


念の為、私はインターホンのモニタで、過去の訪問者を見てみました。


すると、4月27日の21時3分、私の部屋の玄関の前が映し出されており、そこに今日と同じ、ボサボサの長い黒髪を垂らし、顔に大きな白いマスクをつけた初老の女性がインターホンを鳴らしている履歴を見つけました。


この日のこの時間、私はまだ仕事から戻っておらず不在だったのですが。



うわ!来てるやん!
気持ちわる!


と思って急いでシャツとズボンを着て、さっきの女性を探し出して全て理解できるまで問い詰めたろうと思ってマンションを飛び出したのですが、周辺にはもう彼女の姿はありませんでした。


彼女が玄関の隙間から私の部屋を覗き込んだとき、マスクの上にある彼女の細い目は、わらってるように見えました。
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^06/05 21:38

ふと座敷女を思い出してしまった( ˙-˙ )
wミニメ

^06/05 07:49
[名無しさん]

((((;゚Д゚)))))))アワワワワワワ

次回はこの話で
世にも奇妙な物語2018 summer編やってもらいたい…

もちろんっ本人さん出演で…|ω・`)

wミニメ

^05/13 12:52
寅 壱

BBAこえーーー><
wミニメ

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